リューズムという小さな村

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今年のイースター休暇を利用して4月7日から12日まで旅をしたのは北ドイツ。今日からぼちぼちそのお話を。

まず、デュッセルドルフを出てほぼ真北、ちょっと東寄りへひたすらまっすぐ進む。それはオランダとの国境線沿い。地名もニーダーザクセン語(標準ドイツ語とはかなり違う方言)やフリース語(ドイツの少数民族語)らしくなってきて、ちょっと外国へ来たかのよう。目指した第一目的地はRysum(リューズム)という小さな村。
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Rysum




リューズムという村はエルベ川の西、エムス川の河口付近、オランダ国境付近に位置し、ドイツでは低地ドイツ語(ニーダーザクセン語)を話す地域。これは標準ドイツ語とは文法的にも発音的にもかなり異なる言語。また、フリース語はドイツの少数民族の言語で、簡単に言えば外国語。しかも、このニーダーザクセン語もフリース語も、国境を越えてオランダ北東部でも話されている言葉。従って、今回旅した地域はドイツの中でも外国的存在で、夏の休暇に訪れる場所、という位置づけ。

この辺りの特徴としては、まず、標高が低いこと。ずっと平らであること。土地が湿っていること。風が強いこと。言語のみならず気候も地形も暮らしぶりも全くもってオランダと同様なのだ。だから風車もあるし・・・
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風力発電も。
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風は相当強い。なにしろ木がこんな風に育つくらいですから・・・いつも同じ方向から風が吹くというのがよく分かる。
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そんな所に位置するリューズムは、ホントにちっちゃなちっちゃな村。お墓もすかすか。
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北ドイツはプロテスタント。質素ですねえ。
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小さい家が不思議な角度で並んでいる。この辺りには石もないので、家は煉瓦造り。
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デュッセルドルフより季節が一週間くらい遅れている印象。
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ね、水仙が今ようやく咲いたという瑞々しさ。
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リューズムそのものには観光客としては何も見るべき所はない。その周辺も、上の地図を見ていただければお分かりの通り、牧草地しか無い。地図で左側へ行けばエムス河口付近に出るが、その辺りも工場がいっぱい。そんなところにわざわざ寄ったのは、うちのドイツ人の友人が休暇用のセカンドハウスを持っているから。忙しい生活を送るその友人は、休暇になると世の中から隔絶したようなここへ来て、一人でゆっくり本を読んだり散歩したりサイクリングしたりして過ごすのだそうだ。
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庭の芝生を見ると、ここが湿地帯だということがよく分かりますねえ。
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せっかく来たので、何もないところといえども散歩へいきましょ。
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ほんの2時間程度の散歩のつもりが、この後5時間くらい歩くことに。そのお話はまた明日。

この記事へのコメント

  • Krause

    デュッセルドルフに行った時も、バイエルンよりもオランダに近い雰囲気を感じたのですが、ここは、まさにオランダ国境に近いことを感じさせますね。そういえば、オランダ人の同僚の一人はドイツ国境近くの街で生まれ、「彼はときどきドイツ人のようだ」と言われています。そんなことを言うバイエルンの同僚は、ルックスも性格も、好きな食べ物もファッションも全てイタリア風です。欧州での一致しない国境と文化のボーダーライン、ちょっといいなぁと思います。
    2009年04月16日 04:53
  • Inatimy

    それらの言語は、どんな音なのかしら。
    オランダ語のあやふやな音に似てるのかなぁ・・・興味津々。
    こちらも風が強くて、ヒヤシンスが倒れてしまいました・・・。
    2009年04月16日 05:11
  • どらっち

    今度は、ベルンを通り越して、バーゼルへ行ってみたいんですよ。
    ドイツとフランスの国境の街って、すごく興味があって。
    ドイツだけどドイツじゃないって、それも見てみたい。
    感じてみたいなぁ。ドイツらしいってよく分からないけど。
    まずは、フランスだけどフランスらしくないところに挑戦かな。
    2009年04月16日 05:34
  • Baldhead1010

    屋根や壁の明るい独特の色合いがいいですね^^
    2009年04月16日 05:46
  • manamana

    ドイツでもこんなオランダの風情を味わえるところが
    あるのですね。
    とっても興味深い。
    立派な風車を見るだけでも、行く甲斐がありますね。
    2009年04月16日 07:40
  • くっさん。

    ドイツ人さんのお友達は、こんなところのセカンドハウスで、休暇を過ごされているのですね。
    ヨーロッパの長い休暇の過ごし方に興味が沸きます。

    散歩で新発見がありましたか(^^)?
    2009年04月16日 08:18
  • ナツパパ

    地図で拝見するとまん丸な街なのですね。
    昔の城壁の跡なのでしょうか。
    水仙の咲く家、入り口がとても魅力的ですね。
    2009年04月16日 08:19
  • YAP

    オランダのすぐ隣みたいなところなのですね。
    大きな風車が印象的です。
    2009年04月16日 08:34
  • きれいな街ですね。
    赤と白そして花々。端正な感じがします。
    2009年04月16日 08:53
  • luces

    ちょっと寒そうな所ですね。
    でもオレンジの煉瓦の建物もキチンと手入れされた花壇もとても綺麗なところですね。
    こんな所でのんびり休暇を過ごしてみたいです。
    2009年04月16日 09:10
  • mimimomo

    おはようございます^^
    ドイツにしろ何処にしろ・・・わたくしにはやはり珍しい~外国。
    可愛いレンガ造りのおうちが、素敵^^
    本当にお墓がスカスカ・・・ 先日の海外旅行も小さい村《町?》に行きましたが、お墓はしっかり込み合っていました^^
    2009年04月16日 09:33
  • 夢空

    五時間も歩く。。理由はなんなんでしょ(^.^)
    街の雰囲気、いいですね~☆
    2009年04月16日 09:47
  • 私の手持ちのドイツ地図には載っていませんが、地図をつけていただいているおかげで場所がよく分かりました。趣のある家々のたたずまいですね。いつも本当に勉強させていただいてます。
    この後北海沿岸までいらっしゃつたのでしょうか?
    2009年04月16日 10:31
  • かぬう

    >そんなところにわざわざ寄ったのは、うちのドイツ人の友人が休暇用のセカンドハウスを持っているから。忙しい生活を送るその友人は、休暇になると世の中から隔絶したようなここへ来て、一人でゆっくり本を読んだり散歩したりサイクリングしたりして過ごすのだそうだ。

    こういう余裕がドイツ人らしいなとつくづく思う。
    2009年04月16日 10:37
  • やよい

    春を迎えたばかりの小さな村、のどかですね。
    2009年04月16日 10:52
  • きこじじ

    古い物語の世界のような・・・本当に別世界ですね。
    続きが楽しみです。
    2009年04月16日 11:47
  • いとお

    こういうところでのんびり
    休暇をすごすのもいいですねぇ~
    素敵(^^)
    木の育ち方!風すごいんですねぇ(^^;
    2009年04月16日 12:04
  • マリエ

    風車を見てすっかりオランダと思ったところはこちらだったのですね。
    へ~え・・・でもたしかにオランダっぽいかも(*^-^)
    いいなぁ、ゆっくりのんびりできる隠れ家があって羨ましい!
    めぎさん2時間歩いて、そのあとまた5時間も歩いたのですか、凄い!
    2009年04月16日 14:25
  • rino

    風車やレンガ造りの家、雰囲気がちょっと違いますね。
    観光客のいない小さな村、とても興味あります(^^)
    2009年04月16日 16:20
  • wakatate

    レンガ造りの住宅は、いいですね。
    日本では、日当たりがいいように、南向きに建てますが、
    ドイツでは、好き勝手な方向を向いて建てられて
    いますね。
    2009年04月16日 17:25
  • miffy

    風車やレンガ造りの建物を見るとオランダっぽいですね。
    雑多な都会に住んでるとこんな静かな町で休暇を過ごしてみたくなるんでしょうね。
    水仙のあるお家の雰囲気がすごく私好みです^^
    2009年04月16日 17:53
  • あかえび

    レンガの家を見ると地震が・・・・^_^;
    地震が少ないんだろうな~(^。^)
    2009年04月16日 20:33
  • ぽりぽり

    長閑な感じで、のんびりできそうです。大屋根がゆがんでいるような。。錯覚でしょうか?  エコで風車や地熱発電が見直されているようですから、これからの時代、当たり前の風景になったりして。。
    2009年04月16日 21:54
  • ララアント

    2月の下旬には デュッセルドルフより 暖かなマヨルカ島に
    旅行し 今回は少し季節が遡ったような北のほうへの旅・・・
    ドイツの方は めぎさんたちと同じように旅行をよくするのですか?

    赤いお家と 緑いっぱいの村・・・ 長閑で気持ちの良い村のように
    感じました。
    2009年04月16日 22:51
  • ひろころ

    赤い壁とお屋根の建物がかわいい♡
    こんな所にセカンドハウスがあるなんて、憧れです~♪
    風の力を利用した生活が根付いている印象ですね。
    やっぱりオランダにイメージが近いなぁ。。。☆
    2009年04月16日 23:43
  • tanpopo

    可愛らしい村。静かな村にセカンドハウスを持って、ゆっくりとした時間を過ごすという休暇の使いかたも素敵ですね。
    2009年04月17日 03:38
  • めぎ

    >みなさま
    リューズムの話にコメントとniceをありがとうございました。
    ここはほとんどオランダなようなところです。地図上で左側に行けばすぐに海、その向こうはオランダです。ヨーロッパは国境ではなかなか完全には分けられないところで、言葉は国境を越えて入り組んでいます。オランダ語は学問的には低地ドイツ語の一つですし、フリース語を話す少数民族はドイツのみならずオランダにもいます。
    小さな村ですが、昔ながらの作り、つまり教会を中心とした丸い作りになっています。ここの建物は屋根を中心にずいぶん歪んでいました。きっと冬の風雨がキツイのでしょう。このような風車はこの村だけでなく、北ドイツに来るとあちこちにあります。
    最初にリューズムの話を聞いたとき、このような何もないところにセカンドハウスを持つのって変わってるなあと思いましたが、何もないからこそゆったりできるということなのでしょう。仕事でヨーロッパ中を駆け回っている友人ですから、休暇に特別にどこかへ出かける必要もないようです。デュッセルドルフにいるとどうしても仕事モードになってしまうので、車で3時間ほど走ってここへ引っ込むのだとか。セカンドハウスを使わない休暇では、この友人はよくクアをしています。外国でクアの一ヶ月、なんてのもありました。
    このように、ドイツの休暇は非常に長いです。有給休暇は年間30日で、つまり、全部で6週間の休暇をとります。しかも、それを一年で全部消化します(80%以上の人が完全消化しています)。取り方は人によってまちまちで、一ヶ月と2週間、または3週間ずつ2回、3週間と2週間と1週間、といった具合です。そしてドイツの人は、休暇のために生きているような人たちです。だいたい夏休みの休暇の計画を半年以上一年ぐらい前に立てるくらいです。たいていが外国へ行きますが、夏には北ドイツやデンマークなどで避暑というのも多いですよ。夏休みをあまり長くとらずに、秋や冬に長い休暇をとって南の島へ行く人も非常に多いです。
    うちは残念ながら、めぎとうちのドイツ人との休暇の時期がどうしても合わないので、二人で一ヶ月休暇に行くことがなかなか出来ません。だから我々は、うまくお互いが休みを取れる場所を探して1~2週間単位で細かく何度も休暇をとるのです。前回のマヨルカも今回の北ドイツの旅も5泊6日でした。
    どらっちさん、フランスだけどフランスらしくないところ、それなら絶対にシュトラスブルク(ストラスブール)がお勧めですよ~アルザスへぜひ。ドイツとフランスの両方のいいところが凝縮されてると思います。
    2009年04月17日 06:49
  • たいちさん

    北ドイツは、なかなか行く機会がないので、旅行記を楽しみに読ませていただきます。ホテルではなく、友人宅に泊まる旅は、いいですね。私も先日、山形県鶴岡で友人宅へ2泊して良かったです。
    2009年04月17日 15:20
  • くりっぴ

    ものすごい苔の量ですね。
    2009年04月18日 11:23
  • めぎ

    >みなさま
    ここはあとで何度も出てきますがかなり水分いっぱいな土地なんですよ。
    友人の家を泊まり歩くのはドイツではかなりメジャーで、友人が休暇中に留守の家に泊まらせてもらうことさえあります。友達づきあいがそれだけ重視されているとも言えますし、フレキシブルにお互いに利用しあう個人重視の文化も垣間見えますね。
    2009年04月19日 06:40
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