
10泊もペナン島で何をしていたんですか、と問われれば、ホテルにいました、と答えるしかないほどほとんど出歩かなかった今回の旅。ここはホテルのロビー。

到着してチェックインの手続き中に出された飲み物。起き上がりこぶしみたいなグラスで出されたなかなか個性的な味のジュース。これを出してくれたウエイトレスさんがチャーミングで可愛らしく、好印象。

ここは夜にはバーのようなラウンジになり、ライブコンサートも毎晩開かれていた。歌手はなかなかの声で、英語の懐メロから最近のヒット曲まで網羅し、どんな歌を歌っても非常に上手かった。たまたま通りがかかったとき、欧米系のおじいさんが一人で座っていて、若いウエイトレスさんがとっても上手にお相手をしていて、このおじいさんがとても楽しそうな様子だったところに遭遇。

このおじいさんはクリスマスにお一人でここにいて、連れあいを亡くされたのかしら・・・ご家族もいらっしゃらないのかな。いつか、もしめぎが先に逝ったら、うちのドイツ人もこんな風に過ごすのかも知れないな。
モブログでも書いたが、このホテルに前回来たのは4年前、うちのドイツ人の父親が亡くなった年の暮れ。そのときにも義父の誕生日に義父の好きだった赤ワインをここで飲んで追悼したのだが、今回も全く同じことを。迫力ある生歌を聴きながら、過ぎ去った4年の重みを噛みしめた。

このホテルは一見4年前とほとんど変わらずにあった。ロビーにクリスマスの煌びやかな飾り付けがあるのも当時と同じ。でも、よく見ると、それはただのツリーではない・・・お米とか洗剤とかジュースとか、日用雑貨が段々に飾られているツリーなのだった。そして、その後ろにはなにやらボックスが・・・そこには、滞在客に、使った子どものオモチャでもう必要ないものがあれば従業員の子どもたちのために寄付してくれるようにと書いてあり、ビーチボールや砂場用のシャベルなどが入っていたのだった。

庭にもクリスマス用のデコレーションがあったが・・・

それはよく見るとホテルの水のペットボトルでできていた。

アートと言えばそうなのかも知れない。でも、ただのゴージャスなリゾートホテルではない雰囲気に変わったとも言えなくはない。もともとこのホテルはこの界隈ではゴージャスさから言えば3番手か4番手くらいのリゾートホテルで、すぐ近くには素晴らしいサービスを誇る名だたるホテルが軒を連ねる。日本のガイドブックでも、至れり尽くせりのリゾートライフを過ごすのならここへあそこへと別のホテルがページ数を割いて紹介されていて、めぎたちの泊まったところは4番手くらいに3分の1ページくらいで小さく紹介されているだけ。ホテルの口コミも、日本人の書き込みを見るとほとんどが口を揃えて別のホテルを褒めまくっていて、めぎたちのホテルに関してはコメントそのものが少ないし、あまり評価も高くない。それでも4年前は十分ゴージャスだったし、日本人のコメントもそこそこあったのだが、今は少しコストダウンをしているのか、趣向を変えたのか。
そんなことを思いながら見渡してみると・・・最も変わったのは、客層である。

もともとアラブ系の客層の多いホテルであったし・・・

長期滞在の欧米系も結構多いホテルであって、その点に関してはあまり変わっていなかったが、今回はマレー系の客が非常に多かったのだ。それも、大家族で。

以前と変わらずクリスマスや大晦日にパーティー会場が設置されていたが・・・

そこで楽しんでいたのはほとんどマレー系の家族連れだった。

このホテルは名だたるゴージャスホテルと比べると宿泊料金も安めで、それが長期滞在をする欧米系やアラブ系には都合が良いのだが、同時にマレー系の客にも泊まりやすくなったのかも知れない。または、他のホテルと差別化し、週末や祝日に家族旅行をする小金持ちのマレー系に泊まりやすい雰囲気に変えたのかも知れない。それと同時に、旅行日数の短い日本人客や静かで豪勢な雰囲気を楽しみたいカップルなどは至れり尽くせりのゴージャスさを求めて別のホテルに流れたのかも知れない。めぎたちにとっては、現地の人たちの休暇の様子が間近で見られるというのは願ってもない興味深いことで、この変化をポジティブに楽しんだのだった。

そんな中、変わらないことも多々あった。例えば、手入れの行き届いた庭の中の・・・

南国の綺麗な花。

植物はしっかり管理されていて、枯れたまま放置されていることもなく、落ちた葉やら花びらやらもキッチリ掃除されていた。

その掃除の仕方も全く変わっていなかった。6時半頃から7時半頃までの薄暗い早朝に、掃除機などを使わずに箒と熊手とちりとりで掃除するのだ。箒でさっさと掃く音が4年前めぎたちには非常に心地よかったのだが、それは全く変わらずにあって感動。

そして、あの鳥さんも。

また会えて嬉しかった。

撮影: Nikon 1 V3 + 18.5mm(F1.8)、Nikon 1 V3 + FT1 + 70-300mm(F4.5-5.6)
この記事へのコメント
Baldhead1010
ちばおハム
リフレッシュできますよね。
ただ、帰ってきたあとが・・・がんばれるかしら。
YAP
それが良いのか悪いのか。
客層も変化してきているということで、ホテルの格式というか、狙った客層自体が変化しているかもしれないですが、各国の経済状況の変化でやって来る人の国籍の変化もあるのかもしれないですね。
mimimomo
ツアーで行くとホテルが選べないのがちょっと残念だけれど、わたくしはこじんまりしたところが本当は好き。
engrid
気持ちの良いお手入れされた植物に、掃除、
基本のところは、揺るぎない、
お客層は、経済とか世相に影響されるのかしら
現地の暮らしが垣間見れるのは、旅の楽しみの一つですね
ふーみん
そんな休暇を過ごした事ありません 羨ましいです。
ペットボトルのお家素敵です。 ツリーも変わってますね。
テリー
我々夫婦だったら、ダイビングの他に、ゴルフもやったでしょうね。
Inatimy
テラス席の写真の、軒下からぶらさがった鉢植えの下から出てるのは、
植物の根っこ? 面白いですね^^。
私の場合、あまりゴージャスだと緊張感もすごいから、
ほどほどなところがゆったりできそう。