
現在、今年の夏旅を連載中。うちのドイツ人の叔父のサマーハウスを訪ねているところ。

昨日の記事に書いたようにここには重い現実があって、まさに「家族の義務」でここにいますという感じだったのだが、別の見方をすれば、旧東ドイツ人に家族として個人的に会って、しかも泊まらせてもらって話を聞ける機会なんて普通は無い訳だし、しかも旧東ドイツの別荘コテージを好きなだけ撮影させてもらえる機会も普通は無い訳で、その立場を有り難く享受して、義務を果たしつつ時間を見つけては撮影に没頭して、あれこれ試行錯誤したのだった。

たくさんたくさん撮っても作品になりそうなのはホンの1~2枚。難しいわねえ。

作品撮りへの道は遠し・・・

ちょっとポップな色合いの物置小屋。あれこれ試したけど、あまり納得できるものは撮れなかった。

隣は薪ストーブを使っているのね。

森の中にこのくらいの間隔で建っているコテージは、賃貸もあるのかも知れないが、叔父のは購入したもの。彼の場合、ヴィッテンベルクの街中にある本宅の方が借家アパートで、こちらの別荘の方が私有財産という訳で、一年のほとんどをこの別荘で過ごしているというのはそこにも理由があるのかも知れない。本宅アパートの方は真冬のホンの一時期しか滞在しないので、埃だらけだそうだ。

そのアパートというのは、旧東ドイツに60年代にたくさん建てられた無機質の団地で、当時トイレ・バス付きの部屋というのは画期的で、東ドイツの普通の労働者がみんなそこに住んだ訳だが、日本では当時の団地が既に取り壊されたかゴーストタウン化しているのに対し、旧東ドイツでは今もそこに住んでいる人がいるということ。その現実を聞けば、80近い叔父夫婦がこのコテージに入り浸る気持ちも分かる。自然に囲まれて、草取りしたり水やりしたり家のどこかを修理したりしながら過ごすのは、無機質な団地でただ座ってテレビを見るしかない生活よりずっと充実しているのだろう。

今回このこびとさんにはずいぶんモデルになってもらった。

7月下旬、紫陽花がまだこんなに瑞々しく咲いていた。たぶん今もこんな感じのままではないかと思う。ドイツはそんなに暑くないので、紫陽花はも10月くらいまで保つこともある。

暗くなってきた森。夏は暗くなるのが遅いけど(この写真は夜9時半くらいの撮影)、春や秋は暗い時間が長くて、森の中のコテージはずいぶん暗くじめじめするのではないかと思うが、春は春の、秋は秋の美しさがあるのかも知れない。

そして翌朝8時頃。光条を撮ろうとあれこれと。

今こうして写真を整理して記事を書きながら振り返っても、ここの鬱々とした雰囲気が心に重く甦る。森や庭やコテージは美しく、また美しく写るよう努力したのだが、ここは本当にずっしり重く辛かった。

撮影: D600 + 20mm(F1.8)
この記事へのコメント
Baldhead1010
日中は暑いので、とてもカメラを持って外に出る気にはなれません。
engrid
でも、暮らすとなれば、別かなと思います
朝の光、良いですね、、、
ダークな紫陽花も美しい青です
YAP
私の「家族の義務」は、適度にイライラさせられながらも、淡々と消化しています。
ナツパパ
...のように見えても様々なんですね。
個人の努力とか才覚を超えた部分での出来事は、
これはもう、なんとも言って差し上げられないように感じます。
sheri
私も試行錯誤中です(>_<)
Inatimy
なんだかすごいな・・・と感じました^^;。
テリー
友人にも本宅と、別荘を持って、優雅に暮らしている人もいますが、一般的には、難しいですね。