夜の部

現在、2月11日の叔母の80歳誕生日会の話を連載中。

夜になり、やっと叔母の家で近親者だけでくつろげる時間になった。
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そして、やっとやっと家族からのプレゼントを開封する時間になった。これは娘(うちのドイツ人の従妹)からの飛び出す式カード。
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こんな感じでみんな順番を待っている。
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叔母の姉(うちのドイツ人の母)からは、画集。↑叔母の家には所狭しと絵がかかっているが、それはみな叔母が描いた絵。そんな叔母の参考に、と。
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そしてうちのドイツ人から。先日も書いたが、曽祖父の時代からの公文書(洗礼の記録や仕事の契約書など)やら直筆の文書(公文書の中に履歴書が見つかったのも!)やら昔の写真やらを集めに集めまくったのをまとめた写真集。
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叔母が誕生してからの部分は後半で、前半が結構長い。読んでいると進まないので、今はパラパラめくるだけにしてね~と言うのだが、思わず読み入ってしまって進まない進まない・・・
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この写真集、ドイツの有名なドラッグストアのDMというお店のサイトに有る写真の印刷やアルバムなどを作れるサイトで発注し、下の写真の左側のような状態にまで製本されて届いたのにうちのドイツ人が例によって自分で革表紙を貼り付けたもの。中の写真アルバムには年月日や場所などの記載もあり、その字体を叔母が昔使っていたタイプライターの丸文字体のアルファベット(普通にワードに入ってはいない字体でうちのドイツ人はネットで探してダウンロード)にしてみたりと相当に凝っている。写真の大きさやら配置やら紙の模様やら凝りに凝り、ただ写真を選んで印刷したのではなく、相当な時間をかけている。それに、叔母はうちのドイツ人の母親の異父妹なので、つまり叔母の父親はうちのドイツ人とは血のつながりがなく、そちらの方の家系を遡るのはそれなりに大変だった。叔母への愛情なしにはできない作業で、その愛情がよく分かる出来上がりで、それはそれは感動された。うちのドイツ人は小さい頃母親にほったらかしにされ、叔母に世話してもらった思い出がたくさんあって、感謝の気持ちも愛情も一入なのだ。そんな風にして出来上がった真心篭った写真集には、叔母の孫(うちのドイツ人の甥)も大いに関心を持ち・・・と言うのはつまり彼のご先祖様の写真集なので・・・あとで手にとって読み入っていた。それもなんだか嬉しかった。
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そうして、ようやくメインプレゼントのお時間に。
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家族全員からのプレゼントは、先日も書いたがみんなで初夏に旅をすること。その招待状をもらってジーンと見入っている叔母。よかったわねえ。
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ここで、本当はね、と言うお話に。そう、このプレゼントについては家族の中で随分長いこと色々と議論したのだ。本当は、うちのドイツ人は叔母をイタリアへ連れて行きたかった。その昔叔母はイタリアのどこだかでとても楽しく青春時代を過ごしたそうで、そのときにイタリアで覚えた歌をうちのドイツ人に教えてくれて、その歌をうちのドイツ人は未だに覚えているのだ。うちのドイツ人は、分かりし頃の叔母の楽しそうな歌声を思い出し、叔母にとってそのイタリア滞在は人生の中でもとっても輝く思い出に違いないからそこへみんなで行きたい、と主張した。しかし、肝心の娘(うちのドイツ人の従妹)がそれに難色を示したのである。イタリアまでとなると費用もかなり掛かるし、2~3日で行けるものではないし、するとまだ研修生の孫は休みを取れないかもしれないし・・・等々と。で、娘はデュッセルドルフから近いライン河下りでもしよう、と言い出したのだが、たしかにそれだと費用の点でも日程の点でも助かるけれど、叔母にとってライン河周辺は、ただ娘が住んでいる場所というだけで叔母自身の人生とは何の接点もない場所なのだ。で、ああだこうだと議論した結果全く別の場所に決まったのだけど、それはイタリアではない。

で、叔母に、本当はイタリアのあの町へ行こうという案もあったんだよ、とうちのドイツ人が言ったのだが、その言葉に叔母が一瞬ものすごく目を輝かせて反応したのだった。ああ、あそこ!それは素敵ねえ・・・と一瞬うっとりし、でももうあの時のあの人は亡くなってしまったし、行ってももう町も変わってしまっただろうし、とその町への憧れを打ち消すような言葉を自ら口にしたのだった。それを聞きながら、めぎはちょっと心痛かった。ああ、やっぱり、どんなに無理してでもイタリアへ行かせてあげたかったなあ。もう行けることは一生ないんだろうから。子どもって、世界中で最も親のことがわかっているようなつもりだけど、でも実はわかっていないことがいっぱいあるのよね。親には親の、子どもには全く分かり得ない、子供とは全く関係のない人生があったのだもの。ついでに言うと、うちのドイツ人もどうしてそんな廃案になったイタリアの話を口にしちゃうかなあ・・・まあ彼は残念で仕方がなかったのだろうけど、みんなで決定したことに水をささなくてもいいのになあ・・・ま、誰も気にしていなかったからいいけど。

こうしてようやく誕生日のメインイベントが終了し、パンとハムとチーズとワインの簡単な、でもとっても美味しい満ち足りた食事が始まった。やっと誕生日のあれこれから解き放たれた叔母はとても嬉しそうだった。
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つづく

撮影: D600 + 24-70mm(F2.8)G

この記事へのコメント

  • Baldhead1010

    自分の父も母も旧満州からの引き揚げ者です。

    元気で生きているうちに一度だけでも旧満州へと思ったのですが、叶いませんでした。
    2018年02月23日 04:35
  • mimimomo

    肉親って良いものなんですね~ わたくしはドライかな・・・
    2018年02月23日 08:01
  • YAP

    ドイツ人さんの心遣いは、しっかり伝わったんですね。
    夏の旅行の話は...いろいろ思惑が交錯した感じですね。
    2018年02月23日 08:11
  • ナツパパ

    みなさんがそれぞれに思いを込めてる様子が伝わってきます。
    みなさんに慕われ愛されている方なのですね。
    旅行が愉しいものでありますように。
    2018年02月23日 09:28
  • stellaria

    写真集を完成させるまでの、ドイツ人さんの手間のかけ方がすごいですね。でも、その一つ一つが楽しみでもあったのかな...と思いました。
    2018年02月23日 17:04
  • engrid

    アルバム、すばらしいですね、
    何度も読み返されることでしょうね、
    作り上げて編集されていく過程、ご苦労もいっぱい
    でも、興味が尽きない作業でしたのでしょうね
    2018年02月24日 00:43
  • Inatimy

    欧州って陸続きだし、日本人からするとドイツとイタリアって近い感じだから、
    廃案になったのは、ちょっと意外でした。
    日本のツアーだったら5日間で3カ国周遊とかありますもんね^^;。
    2018年02月24日 07:25
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