これまでも何度か書いたように、ナーゴルトという黒い森地方の小さな町に住む叔母を訪ねたのは、遊びに行ったからではなく、ホームに入ることを決心した叔母の荷物の片付けの最初の作業を手伝うため。その最初の作業というのは荷物詰めではなく、これは以前にも載せた写真だが、こういう戸棚をはじめとした家具や、中に入っている食器をはじめとした叔母の持ち物をめぎたちが引き取るかどうかを決めに行ったのだ。
また、叔母はこれを機に自分の半生を自費出版するつもりでいて、その校正の最終作業(文章の最終チェック並びに特に写真を確認すること)も荷物整理と同時進行であって、それはうちのドイツ人が請け負っていた。
で、もらう家具や絵や食器などを決めた後、次はその作業に取り掛かるのだが…
一枚目の戸棚の中からおいしそうなポートワインを見つけ、これは今回集っているこの家族(叔母、娘、孫、甥のうちのドイツ人、ついでにめぎ)で飲むしかないでしょ、とうちのドイツ人が提案し、早速準備。
そして昔の写真を確認しながらみんなで一本空けた。孫は一杯飲んだ後ビールに切り替えていた。

写真というのはたくさんあるのだが、85歳の叔母の親や祖父母世代の写真も多々あって、それはかなり歴史的に貴重である。貴族の父親を持つ義母の半生も凄いけど、その異父妹の叔母の父親は工場を営んでいたので、それもまたなかなかの内容。どちらも場所は旧東ドイツだったので、戦争やその後の東西分裂のバタバタで多くのものを失ったけれど、世が世ならどちらもお姫様&お嬢様の暮らしをしていたのよね…
孫の彼にとっても、色々な過去が興味深いようだった。

それにしても昔の写真って、凄く素敵な保管のされ方なのよね。こういうのはハードデスクとかクラウドとかには無い趣だわね。
うちのドイツ人には直接関係のない過去の写真だが(つまり叔母の父親はうちのドイツ人とは血のつながりがないため)、叔母の自伝のために、また将来デジタルで育っている孫の彼が過去の写真を持ち続けられるように、これらをデュッセルドルフに持ち帰って仕事の合間にスキャンした。これはほんの氷山の一角。
土日も作業して怒涛のスキャンが終わり、既に叔母の娘(従妹)に返してある。本も無事完成した模様だ。そして、早くも6月に入り、本当にこのナーゴルトの家をたたみ、最小限の荷物を発送し、6月6日、ホームに到着したとのこと。ブログで話がそこまでたどり着くのはまだ先になるが、ああ本当にこのナーゴルトを出てきちゃったのね…とちょっと寂しい。
この記事へのコメント
mm
YAP
悲しいドラマよりも、どうせなら自分のドラマはいいものにしていきたいです。
日々の気持ちなんだろうなあ。
JUNKO
(。・_・。)2k
次の世代にまで残せるって凄い事ですよね
おと