義母からのプレゼント

今日はめぎの誕生日。
DSC_0368_001.JPG


いくつになってもいい大人でも中途半端な年齢でも誕生日を毎年毎年クリスマス(=日本のお正月に当たる大事な行事)と同じぐらい大事に祝うドイツだが、めぎの今日は平日で授業もいっぱいだし、パーティもあまり好きではないので特に誰も招かず何もしない。うちのドイツ人と二人で祝うにしても、今日は夜にゆっくり味わう余裕もないので、ご馳走も後日に後回し。それでも今日はうちのドイツ人がめぎの好みに合わせてトマトソースのスパゲティを用意してくれる予定。

誕生日が近くなって、ああ本当に終わっちゃったんだなあと感じることが。それは、義母からのプレゼントが届かないこと。これは去年のプレゼント。
20231115_140619_001.JPG


猫の好きな彼女は、同じく猫好きなめぎに(めぎは犬も好きだけど)、いつも猫の本やカレンダーなどを送ってくれていた。
20231115_140715_001.JPG


そのカレンダーを今年ずっと食卓のそばにかけて使ってきたが、もうこの続きは無いのね…
DSC_0370_001.JPG


その代わりと言っては何だけど、10月中旬にうちのドイツ人宛てにお届け物があった。中に入っていたのは、義母が最後に病院に持っていっていたというもの。
DSC_0027_001.JPG


義母が亡くなった頃うちのドイツ人が腰椎を骨折して動けなくなっていたので、めぎたちは彼女の住んでいた場所や最後にいた病院に一度も行っていない。それでこれらは彼女の仲良しの友人がずっと預かっていたのだが、それを今頃になって(10か月も経ってから)やっと送ってくれたのだ。中に入っていたのは、財布とパスポート入れと時計と指輪。その財布とパスポート入れの中には、ドイツの身分証明カードとイギリスのパスポート(彼女はイギリスに20年ぐらい住んで結婚もしていたので、イギリス国籍を取得していた)、ドイツに戻ってきたときに発行された紙の滞在許可証(当時ドイツは今の日本と同じく外国籍をとると国籍を失う国だったので、彼女はドイツに戻ってきてからしばらくは外国人として生きていた。ちなみにイギリスがEUを離脱した時に、ドイツ国籍を再び取得した)、予防接種の記録台帳(中には2023年11月のコロナワクチン接種の記録があった。亡くなる一か月前のことで、そのときはまさか一か月後に他界するとは思ってもいなかっただろうな)、運転免許証、その他に写ってないけど数十ユーロのお金とリビング・ウィルのカードや緊急連絡先のメモなど。
DSC_0016_001.JPG


そして、彼女の指輪。義母は、この貴族の紋章の入った指輪を父方の親戚から譲り受け、それを片時も外さず、自分が亡き後それを長男のうちのドイツ人に譲ると遺書に書いてあった。それで、遺産放棄したうちのドイツ人にもこの指輪だけは無料で引き取ることが可能だった(その他の祖先から伝わる大事なものはお金を払って引き取った)。それがやっとうちに届いたのだ。
DSC_0028_001.JPG


晩年の彼女の叔父(義母の父親の弟)が同じ指輪をしている写真が残っている。1985年2月の撮影とのこと。
1985 Feb - Walther v Hindte 2_001.JPG


人が亡くなった後に残るものって、寂しいわね。身分証明書も、時計も財布も指輪も、無くさないようすられないよう大事にしているものだけど、死んでしまったら全く何の用も足さない。なんか、あっけないわね。

めぎが誕生日に義母からもらったものは、今はめぎが一つ一つ懐かしく眺めるけれど、めぎが死んだら誰にとっても何の意味もなくなる。人の思いってこんなにも儚くて、ものすごく切ないわね。
DSC_0371_001.JPG


だから、生きているうちが花。また一年元気でいられることを願い、そのためにこそ努力しなきゃなと思っている。

この記事へのコメント

  • mm

    人が亡くなると、あっという間に忘れ去られる。まさに忘却の彼方。
    でも思い出の品がこうして残っていくってそれなりに意味があるかな。わたくしの周りには何もないわねぇ~あ、一つだけ、姉が残した「絵画」があるわ。
    2024年11月05日 06:39
  • Baldhead1010

    お誕生日おめでとうございます。
    これから厳しい冬を迎えますがお身体に気をつけて乗り切ってください。
    こちぃらも晩秋らしい気温になってきました。
    2024年11月05日 06:44
  • stellaria

    お誕生日おめでとうございます!良い一年でありますように。お身体を大切にお過ごしください。
    猫の絵本やカレンダー、可愛らしいですね。貴族の紋章のついた指輪は、お義母様の誇りだったんでしょうね。遺品のひとつひとつがお義母様の生きた軌跡を物語っていますね。
    2024年11月05日 06:50
  • kame

    3日違いだったんですね。
    死んでゆく時に、残してはおけるけど持って行けない遺品となるもの。
    本人から聞いて無ければただのものになってしまう切なさと言うか。
    断捨離とか言って整理する中で、どれが一番自分にとって大切なものだったかを示す記録があると残された人に理解されやすいですね。
    ウチの親父も何か考えているのかな?
    2024年11月05日 08:24
  • Inatimy

    ♪ お誕生日 おめでとうございます ♪
    健やかで穏やかな、そして旅に満ちた一年となりますように。
    指輪は、ひょっとして印章指輪(ドイツ語だとSiegelring?)かしら?
    これで手紙や文書など封蝋してたかもしれないと思うと、
    ちょっとワクワク。
    その人が亡くなっても残る手書き文字、確かな存在が感じられますね。
    2024年11月05日 16:33
  • angie17

    お誕生日おめでとうございます!
    私も友人と一緒にわいわい騒いだのは、若い時だけ。
    大人には大人の祝い方がありますね。
    物はその人が持っているから、輝くのかもしれませんね。
    めぎさんの考えを聞いて、色々と考えさせられました。
    2024年11月05日 17:27
  • JUNKO

    お誕生日おめでとうございます。お義母様からのプレゼントが無いのは残念ですが、めぎさんのところに届いた遺品はお義母様の生きた証。長生きして大切に保存したいですね。
    2024年11月05日 17:41
  • YAP

    お誕生日おめでとうございます。
    誕生日を祝えることは、いくつになってもいいものですよ。
    ドイツ人さんとのお祝い本番は週末でしょうか?
    我が家もいつもそんな感じです。

    人が亡くなるというのは、寂しいものですよね。
    特に身近な人であれば、なおのこと。
    亡くなった人の思い出は、遺品があればそれを起点に思い返したりもありますが、例えば我が家のように子供がいなければ、だれに何を残すということもなく、私のことはすぐ忘れられるんだろうなと思います。
    2024年11月05日 18:55
  • おと

    お誕生日おめでとうございます♪
    めぎさんにとって、楽しいことのたくさんある一年になりますように^^
    皆が全て忘れ、最後に無になり、まさに土にかえる。自然の営みって、上手くできているなと思います。
    2024年11月05日 19:18
  • 向日葵

    お誕生日おめでとうございます!!
    いろいろと物思いに耽る誕生日でしたね。
    人一人亡くなる、ってやっぱり大きいことですね。
    儚いし切ないけどー。
    こうして思いを継いでいく人が居てー。
    思い出として大事にしてくれる人たちが居るー。
    勿論その人たちもいずれ居なくなりますが。
    その繰り返しを地球規模でみんながやっているんだと。。
    2024年11月05日 21:37
  • sheri

    お誕生日おめでとうございます。そうですね、今まで届いた方からのプレゼントが届かなくなるのは悲しいですね。
    いつかただのモノになってしまうとしても、やっぱり大切にしていきたいし、見てるだけで幸せになるモノってありますよね?それを大切にしたいと思ってしまうから断捨離が進まない私です。
    2024年11月05日 21:54
めぎのブログでは、メールアドレスとホームページは未記入でもOKです。ホームページアドレスを記入していただけたらこちらから時間を見て訪問いたしますが、Seesaaのデフォルトで国外からのコメントを受け付けないようになっていて、その設定のままの方にはめぎは残念ながらコメントできない状況であることをご了承願います。